最難関のITストラテジスト、論文の午後2ばかりフィーチャーされがちですが、午後1にもコツがあります。
国語問題、などと言って軽く扱われがちですが、午前問題を突破した人のうち半分落ちますからね?
午前突破者の半分敗退するって、結構難易度高いと思いませんか?
半分落ちる理由は下記の記事をどうぞ!
今回は2018年の午後1問2:住宅設備メーカのシステム導入に関する問題を解説します。
できるだけ私の思考回路を言語化して説明していきます!
ちなみに、私の受験時の結果は以下です。
なので、一応解説内容はそれなりに自信がありますので、是非参考にしてみてください。
問2 住宅設備メーカのシステム導入 問題文
問題はこちら(PDF)から参照できます。
問題文も貼り付けておきますね。
問題の解き方について
まず設問から見てその後問題文を読むと良い、と言われました。
やり方は人それぞれですが、私はシンプルに問題文→設問の順番で読んでいます。
最初に問題を読むときはストーリーが追えれば十分です。
ですので、
1.問題文を読む
2.設問を読む
3.該当する問題文を探す
のやり方で十分です。
時間が厳しい試験ではありません。
10分は余りますので、いきなり設問を読んで先入観を持って問題文を読んでしまう方が怖いです。
それでは問題文は各自で読んでもらった、と仮定して、早速設問1から解いていきましょう!
設問1
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:営業部門、今まで取り組めていない短期の商談
これを問題文から自分で探して該当する箇所をひっぱってきます。
そうすると、以下の問題文が該当する箇所かな?と検討が付きます。
まずは課題が記載されている現状から抽出しましょう。
よって、課題は
「生産可否が判断できないこと」だとわかりますね。
ITストラテジスト特有なのですが、問題を難しくするときに3段論法を使ってきます。
3段論法というのは、A=BでありB=CならA=Cってやつです。
今回の場合、
A:短期の商談で取り組めていないこと
B:生産可否の判断
です。
設問で求めていることは「何を確認すべきか」ですから、「生産可否の判断」では確認事項になっていません。
問題文にもっとダイレクトに確認内容が書いてある箇所がないか探しましょう。
こういう時、B=CとなるCが答えになる可能性があります。
今回の場合は、
生産可否を判断するため(B)に、生産計画システム導入後は営業部門は何が確認できる(C)ようになるのか?
導入後の話ですから、生産計画システム導入後の話を見ていきましょう。
これがA(問題文)=B(中間地点)=C(答え)の”C”ですね。
そうです。少し難しい問題はA=B=Cを使ってきます。
もしA=BのBが答えでない場合、B=Cを探してみましょう!
工場の生産能力の余力の状況(13字)
設問2(1)
(1)工場内の問題を早期に把握するために何を行うか。30字以内。
やることは同じです!
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:製造部門、工場の問題、早期に把握
問題があるいうことは、現状に課題認識が明記されているはずです。
見てみましょう。
課題っぽいところが沢山あります。でも見るべきは問題を早期に把握することです。
問題の発見に時間がかかっているところはどこかというと、
ここではないでしょうか?
1日の終わりにしか予実差異がわからない、それが問題で適切な対応ができず翌日以降に影響が出る、と言っています。
今回の設問は製造部門は改善として具体的に何をしないといけないか?です。
そういう視点で導入後の製造部門の計画を見てみましょう。
ここですね。
ポイントは「比較することによって問題を検出できる」とあります。
つまり、人が見てチェックすればわかる、ってことですね。
だから答えはこれです。
「工程ごとの作業予定時間と作業実績時間を比較する」ですね!!
よくわかりました!!
たぶん、その回答は大きく減点されます
どええええ?!?!? なんで???
・時間ごとに、工程ごとの作業予定時間と作業実績時間を比較する(29字)
現状の課題を踏まえて回答してください。
現状では1日の終わりにしか確認できなくて問題だったんです。
だから確認するタイミングがこの問題の回答の肝だと思います。
実際、採点講評でもこの点に触れられています。
設問2(2)
(2)部品倉庫からの出庫に関する在庫管理の改善に必要な機能は何か。30字以内。
やることはいつも同じ!
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:部品倉庫、出庫、在庫管理の改善
そして当然、現状の課題から確認します。
改善後はどのようになっているかも確認しましょう。
改善後は入出庫日付が管理されるようです。
したがって、これまで課題だった古い部品が残ってしまう課題を解決できる”機能”を答えましょう。
回答の語尾は”~~~という機能”みたいに答える必要があります。
・古い入庫日の部品から出庫する機能(16字)
設問2(3)
(3)製造部門における取りそろえ作業の改善を行うために製造管理システムに追加する機能は何か。40字以内。
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:製造部門、取りそろえ作業の改善
現状の課題からアプローチします。
いつも一緒です!
1製品ずつ部品リストを基に出庫している、というのが課題ですね。
では改善後はどういう計画でしょうか。
システム導入後は、1日分を1発で出庫する、と言ってますね!
(置き場所あんのか?と思いますが、それは置いておいて…)
これを実現する機能を回答しましょう。
こんな感じですかね。
・1日で製造する複数製品で使用する部品リストをまとめて出庫指示する機能(34字)
設問3(1)
(1)熟練作業者が不具合品防止のためにタブレット端末で入力すべき情報は何か。15字以内。
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:熟練作業者、不具合品防止、タブレット端末
キーワードを基に課題から確認しましょう。
要するに、ベテランの暗黙知ってことですね。ベテランの頭の中以外にどこにも情報がない、と。
これをタブレットで入れたいいんじゃないでしょうか?
でも改善後の計画も見てみましょう。
特にキーワードのタブレットのところ。
全然大したこと書いてない(笑)
ということで回答は以下で良いでしょう。
問題文の通り、語尾は「~~な情報」で終わらせるように注意しましょう。
・作業開始時の温度と湿度の情報(14字)
設問3(2)
(2)部品メーカの要望に応えるために提供する”ある情報”の内容は何か。15字以内。
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:部品メーカ、要望、ある情報
この問題は例外で、課題と改善後を踏まえて回答するようなものではないですね。
他社の話ですから、ピンポイントでしか登場しないケースです。
実際、課題に
とあり、改善後には
としか記載されていないので、改善後にとっかかりがほとんどありません。
定量発注方式の発注点の意味合いから、回答する意味合いの問題のようです。
発注点は詳しくは自分で調べてもらいたいですが、要するにシステム上で在庫が〇個を下回ったら発注する仕組み、みたいなことです。
この時の発注点が〇個、です。
部品メーカが欲しいのは部品ごとのこの数量や発注予定時期ではないでしょうか?
自社の計画に使うのであれば。
ということで、以下でどうでしょうかね?
・部品ごとの発注数量と発注予定(14字)
IPAの公式回答は「部品の発注予定数量」でした。
でもそれって改善前でもわかるじゃん、、、って思うので、私個人としては上の回答とさせてください。
設問3(3)
(3)生産計画の作成方法を変更することによって改善できることは何か。25字以内。
まずは、設問からキーワードを拾います。
キーワード:生産計画の作成方法、変更
いつも通り課題から見て行きます。
これが課題ですね。
改善後は
という感じで、時間外作業時間を押さえるイメージのようです。
なので、回答はこれでどうでしょうか?
問われているのは改善できること、なので、問題点を素直に上げればOKです。
・想定以上の時間外作業時間の増加(15字)
まとめ
いかがでしたか?
現状の課題
改善後
を関連付けてキーワードをベースに見ていけば必ず回答できると思います。
また、3段論法も有効ですので、答えが見つからないときはキーワードからA=B、B=C、としてCを探してみてください!
採点対象者の上位50%が合格ラインです。
一度コツを掴めば必ず合格ラインに入ると思いますので、これまで説明したように自分で問題を解いて練習してみてください!
午後2の論文のサンプルはこちらで公開していますので、よかったらどうぞ。
応援してます!
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